ニューヨークのマンハッタンで、陽気のよくなる4月から11月頃まで毎週開かれるストリート・フェア。
音楽や路上パフォーマンス、そして屋台の数々・・・アイスクリームにホットドッグ・・・
とても天気の良い日その日。ドレッドと一緒にやってきたチャロ。
「わぁ!すごい人だね?」
「おまえは初めてだろ?楽しんでくるといい!」
「ドレッドは行かないの?」
「ああ、俺はいいさ。その辺で何かしているよ・・・」
「どんなこと?」
「なに、たいしたことではないよ。気にするな」
1人になったチャロですが、右を見ても左を見てもどれもこれも珍しいものばかり。
あちこち歩き回っていると、ふとある小さなテント小屋に興味を覚えました。中をのぞくと、そこはとても美しく色とりどりの衣装が溢れています。
「きゃ!」
次の瞬間、誰かがひょいとチャロを持ち上げたので見上げると、
「待っていたわ、チャロ」
なんとその女性は、だぶだぶの衣装に長い爪をした、いつか夢で出会ったアンドーラでした。
そして、テントの中ランプで紫の花びらを燃やします。チャロは甘い香りに包まれて夢の世界・・・。
アンドーラの不思議な歌が聞こえてきます・・・
歌声が終わると、チャロは夢の中でゆっくり目を覚まします。
「チャロ、私たちは夢の中であったわね?」
夢を行き来するというアンドーラが話しかけます。
「日本から来たのね?そして翔太の元に戻りたいのでしょう?」
「翔太にもう一度逢いたくない??」
「えっ?そんなことが本当に出来るの?」
すると・・・目の前に翔太の姿が!
「翔太!翔太!」
アンドーラは「静かにして・・・」
翔太は慣れない英語で一生懸命チャロを探しています。
「ボクの犬を探しています。ボクのチャロはどこにいるんでしょう??」
「翔太!ボクはここにいるよ!!」
チャロは翔太の名を一生懸命叫びますが、その姿はすぐに消えてしまいます。
「これは翔太の夢なのよ」アンドーラはそう言うとチャロを現実の世界へ戻しました。
「あれ、いつの間に?翔太は?」
「また逢いましょう!チャロ」
アンドーラはその問いかけには答えず消えてしまいました。
夢見心地のチャロは、テントの外に出ると、そこには多くの人が楽しむざわめきが聞こえます。
ボーっとしたチャロは、ドレッドの元へ戻ってきます。しかし、表でアイスクリームを夢中でなめているドレッドはチャロに気付きません。
「う~ん、うまい。おっ?チャロ、食べてみろ!」
「どうした?」
チャロの様子がおかしいことに気がつき、尋ねると、
「翔太に逢った、不思議なおばあさんに逢ったんだ。夢の中で逢ったあのおばあさんだよ。翔太を見せてくれたんだ!」
「なに言ってるんだ?大丈夫か?」
ドレッドは心配になりましたが、きっとチャロが暑さにやられたのだと思いました。
「ちょっと日陰で休もう。すぐよくなる」
しかし、チャロは上の空。
『翔太が僕を探しているんだ!』
それだけで、チャロには再び希望と勇気が湧いてくるのでした。
