風の強く嵐の近づく中、ドレッドの元へ帰ろうとするチャロは、まだ通ったことのない街角を歩いていました。
突然!何かとぶつかります。
「キャ~!ビックリした!シリウス、こんなところで何しているの?」
「シー!静かに…君はチャロだったね?よく聞け。容疑者が隠れている。だからここは危ない。ほかの道を通れ。」
実は、シリウスは建物を張り込み中でした。
「戻れ!」
「戻れって・・・?」
突然、大きなカミナリが鳴って
「キャ~!」
「静かにしろって言ったろう!」
「ゴメン・・・」
その時、強い風が吹いて、歩道をあるいていたおばあさんの帽子は道を転がってきました。
「あら~~どうしましょう」
そして、チャロのそばに・・・
「これはあのおばあさんの帽子だよね?」
「そのようだな」
「帽子を届けてあげてくれない?」
「オレが?張り込み中だぞ。今はダメだ!動けない!」シリウスは言います。
「わかったよ。僕が届ける!」
そこでチャロは大きい帽子をおばあさんのもとへ運ぼうとしますが、体の小さいチャロは帽子をかぶって?いや、中に入って歩いていくのです。
「まぁ!帽子を拾ってくださったのね!本当にありがとう~」お礼を言いながら、おばあさんは去ってゆきます。
その時!キャサリンとシリウスは、ビルに飛び込みました・・・「バーン!」
翌日、「殺人事件に一役買って、また表彰間違いなしね」ローザは店で新聞を読みながらシリウスの活躍を話しています。チャロはドレッドとマルゲリータに、昨日シリウスと逢ったことを話し始めます。
おばあさんの帽子を拾って届けたと言うチャロに、マルゲリータは、「それは立派なことをしたわね」とチャロをほめてくれました。そしてシリウスは相変わらず冷たい奴だと・・・。
帰り道、いつもは寡黙なドレッドが珍しく話し始めます。
「シリウスは間違っていないさ。犬にだって誇りはある」と答えます。
「誇り?ボクにももてる?」
「何かに頑張っている自分を誇りに思えばいい」
「そうか、そうだよね。今ボクは翔太のもとに帰ろうと頑張っている。ボクにもプライドはあるんだね」。
そして、チャロは無邪気に、
「ね、ドレッドの誇りは?」
「フン、昔はあったんだが、ニューヨークのどこかに落としちまったよ。」
そんなドレッドの渋い言葉が理解できないチャロは、「ぼくが見つけてきてあげようか?」と言うのでした。「お前が?」チャロを見てドレッドは微笑みます。
『チャロ、こんな小さい異国のお前が、オレのためにしてくれるんだって?』
ドレッドの気持ちは揺れてきました。諦めきっていた自分の人生(?)そして心の何かが・・・
『チャロ、お前を日本に戻すために、オレは何でもしてやるからな、きっと・・・』
心でつぶやくドレッド。
