ある晴れた暖かい日、チャロは憂うつそうなキャンディに出会います。
キャンディの愛する飼い主クリスが病院で心臓の手術を受けると言うのです。
「知らなかった。それは心配だね・・・」
「急がなくちゃ!」と病院に向いますが、キャンディは話し続けます。
しかし、キャンディの口調がどうも普通ではありません。
「クリスのおばさんがいないと病室へ入れないの、だけどおばさんは忙しくて、今はおばさんのところにいる。シャーロットはクリスのおばさんで・・・」キャンディは落ち着きなく、話し続けます。
「キャンディ!大丈夫?」
「大丈夫に決まっているじゃない!!」
言葉と裏腹に、キャンディは泣き出してしまいます。
「泣かないで・・・」
そんなキャンディの涙を、チャロはそっとなめてあげるのでした。
チャロの優しい言葉に、本当は辛い気持ちを話し出します。
キャンディはクリスが入院したので、今シャーロットおばさんに引き取られていること。
「おばさんにドッグショーに出場させられる、来週シカゴに連れて行かれる・・・」
クリスの入院で、生活環境が激変したキャンディは、淋しくてこれからどうなるのかとても不安でした。
チャロには、その気持ちが痛いほど良くわかります。空港で1人置き去りにされた時の、あの心細さを覚えているから。
「でも、今日クリスに逢えるじゃない。元気になるよ」
「そういえば、チャロの飼い主は?」
「翔太だよ。8歳さ。」
「いまどうしているの?」
「わからないよ。だって日本にいるんだ。だけど、絶対帰るんだ!ほら!この赤い星も手に入れたからね」
チャロの首についた誇らしげな赤い星を見たキャンディは、自分の嘘を思い出して悲しくなるのです。
2匹はクリスの病院の裏庭に着きましたが、ちょうど、車いすに乗ったクリスが病院に入るところでした。
「クリス!ここよ!会いにきたのよ!」と一生懸命吠えるキャンディですが、クリスは気づかない様子です。
その代わりに警備員が二匹に近づいてきます。
「なんだ?あそこの犬だ、追い払え!コラーッ出て行け!!」
その様子に気付いたチャロは、キャンディのしっぽをくわえて路地まで連れ出しました。
「何するのよ!」
「ゴメンよ!だけどああするしか・・・」
「わかってるのよ。」
再び泣き出すキャンディ・・・
しばらくして落ち着きを取り戻したキャンディは、チャロに週末のドッグショーに来てほしいと頼みます。本当は気が重いが、友達が一緒なら、と。
「わかったよ。一緒に行こう!友達だもの」
チャロはとてもハッピーでした。
それは「友達」という言葉がチャロの心にホンワカと響き続けていたから・・・。
