トモコとチャロは、赤い星で結ばれていたのでしょうか?
トモコのアパートメントに引き取られていったチャロは、再び元気を取り戻します。
そして、新しい出会いもありました。黒いパグ犬のルイ。陽気で帽子をかぶり、黄色い水玉の蝶ネクタイをした彼はとても楽しい犬で、仲良くできそうです。
「私のこと、覚えてないでしょ?でも私は覚えているわよ。」
「ワンワン!もちろん覚えているよ!」と、一生懸命に吠えます。
その姿に、
『やっぱりこの犬は私の言葉がわかっているのかしら?』トモコはなにやらそんな気がします。
トモコのルームメイト・ジェーンは、トモコより3つ年上のアメリカ人です。
その日はトモコの19の誕生日、友達がサプライズパーティーを計画します。
「トモコはショッピングをして、20分後には帰ってくるわよ。」
「ワォ!急がなくちゃ!」
「ねえ、何が始まるの?」
そんな会話を聞きながら、チャロはルイに聞きます。
「今日は、トモコの誕生日なんだ。」
ジェーンが部屋の明かりを消すと、ほかの人は家具の後ろに隠れます。プレゼントを持って
カチッ・・・トモコが帰ってきました。
「ジェーン?まだ戻っていないの?」
そのとき!
「サプライズ!ハッピーバースデー・トモコ!!」ライトがつくと友達がいっせいに祝うのでした。
「みんな~~!!ありがとう♪」
「さぁ、ローソクを消して、早く♪」
フーッ・・・19本を一気に吹き消します。
次は、プレゼント攻撃。
ジェーンのプレゼントはなぜかコピー用紙ひと束?
「だって私、トモコが脚本を印刷するのに、ほんとにたくさん紙を使うのを知っているから。ネッ!」
しかも、そのすべての用紙には、赤い星がついているのです!
トモコが大好きな「ミュージカルの赤い星を覚えていたからですが、なんともうれしいプレゼントでした。
「ねえ、知ってる?」ルームメイトのジェーンが、話し出すのです。
「トモコのお父さんは有名な日本人俳優のケン・マツモトなのよ!」
そう言うと、友達はみんなびっくり。
「まじで?トモコ、それホント?」
「そうなの、トモコ??」
「ええ、まぁ・・・」
パーティは盛り上がり、最後の客が帰ったのは夜も更けてからのことでした。
「チャロ、うるさかったでしょう?」
その夜、トモコは一人チャロを抱きながらなぜか悲しそうです。
「誕生日だから、もちろんハッピーなことに変わりはないんだけど……私には悲しい日でもあるのよね……。」
ちょうど10年前の誕生日、トモコの両親は離婚したのです。
「あの日のこと、まだはっきりと覚えているわ。パパは、笑顔で、でも悲しそうに『愛してるよ。トモコ!』って」
「でも、それ以来、逢えないのよ、パパには。毎日テレビで見るけど、でも・・・」
それ以来父親に会えないトモコ。さまざまな思いがあふれ、トモコは涙ぐむのでした。
「ゴメンね。これは内緒よ」
同じ言葉を翔太が言っていたことをチャロは思い出します。それは、翔太の母親が死んだときのことでした
。
「私の夢はパパが主役のブロードウエイ劇を書くこと。誰よりも一番うまく書ける自信があるんだ。だって誰よりも私がパパのことを一番よく知ってるんだもの。だけど・・・」
「でも?どうしたの?
「でも・・・ニューヨークの、このブロードウェイでは無理よね・・・」
弱気になったトモコを、チャロは一生懸命ワンワン吠えて励まします。
『そんなことないよ!信じて頑張れば夢が叶う・・・そういってくれたのはトモコじゃない!』
「信じれば、夢は叶う・・・そうだったわね。ありがとう、チャロ」
チャロが自分を励ましてくれているように感じたトモコ。
チャロを見つめ、トモコはなぜか落ち着いた気持ちになるのでした。
