チャロは、翔太のパパがニューヨークに来ていると知り、ホテルへ飛んでゆきましたが、逢えませんでした。『でも、水曜日の12時に逢えるんだ!!』
そして・・・
日曜日の朝、トモコの歓声がアパート中に響きます。
「わぁ!!」
「どうしたの、トモコ?」
「信じられないわ!」
「落ち着いて!とにかく何があったの?話してよ。」
「これ、見てよ!」
「どれ・・・わぁ、やったじゃない~~!!」
それはトモコが送った脚本に対する返事でした。
そこには、「トモコの脚本が一番優れていたこと、そして出演者のイメージにあわせるためいくつか書き直しをして欲しいので、水曜日の12時にくるように。」と書かれていたのです。
「あら、3日しかないわよ!でも、これって、招待されたっていうことじゃない!」
「夢が実現することって、ほんとにあるんだ!」
喜ぶトモコにとって次のページには、もっと驚くことが書かれているのですが・・・。
「!」トモコは声をつまらせます。
「どうしたの?」
「この作品を演じるのは、日本のトップ・スターであるケン・マツモトだって・・・」
「それって、お父さんのお芝居の脚本を書くことじゃ?トモコの夢が叶うんじゃない!」
「すごいわ!夢ってなかなか叶うものじゃないのに。」
そして、トモコはチャロを抱き上げキスすると、
「チャロ、すごいでしょ?夢が叶いそうよ!」と話しかけると、
「ボクも水曜日の12時に翔太のパパに会えるんだよ!」
そのチャロの言葉がわからないトモコは、
「チャロ、キミも喜んでくれるの?ありがとう」
その後、ささやかなお祝いをして、トモコは再びパソコンに向かい、脚本を書き直し始めます。
忙しいトモコですが、ほかにも何か進めている様子で、寝不足のはずが、元気イッパイです。
「あ~、あれもプリントしなくては・・・」
火曜日の夜、チャロが近づいてみると、トモコは疲れてまたパソコンの前で寝てしまっています。
「あした、二人の夢が叶うんだね」
「あれ?これ、ボクのこと?」
パソコンの脇にはチャロの写真が載った迷い犬のチラシが。
(この犬、知りませんか?)
トモコは忙しい中でもチャロが日本へ帰る手助けをしてくれようとしていたのです。
「トモコ、ありがとう。ぼく、絶対忘れないよ。あした、翔太のパパと逢う。そして、ぼくはおうちへ帰れるよ……今度こそほんとうに!」
「トモコ、もし明日戻らなくても心配しないでね。」
チャロは、トモコの夢と翔太を思い、眠りにつくのでした。
二人の夢は、運命の「水曜日の12時」に託されます。
でも、一緒にいられない。しかも、チャロは黙ってトモコの元を去るのでしょうか?
