『水曜日の12時に』
ついに、二人の夢が目の前に!
運命の水曜日。
『トモコ、急がないと間に合わないよ!!』
「おぉ!そうね。じゃ、行ってくるわ!」
締め切りの直前、脚本の用意ができたトモコはあわてて部屋を出ますが
「あぁ・・・!」
「あの声はなんだ?トモコか??」
チャロとルイが走ってゆくと、なんとトモコが階段から落ちて足をくじいて座り込んでいました。
トモコは立ち上がろうとしましたが、足に鋭い痛みが走りました。
「どうしよう。脚本を届けないといけないのに歩けないわ。バーンハートさんとの約束に間に合わない…」
「どうする?」ルイとチャロは目を合わせると、
「よし!ぼくが脚本を持って劇場に行く。バーンハートさんをつかまえておくから、ルイはジェーンを呼びに行って。」
「よっしゃ!」
「ワンワン!」(よし、僕が届けるよ)
「キミがこの封筒を届けてくれるの?」
「たいへんな頼みだってことはわかってる。でもほかに手がないみたい。」
チャロが脚本の入った封筒をくわえ、トモコの代わりに指定した会場へ向かうことになりました。
「頼んだわよ。いま初演が行われている所。」
しかし、締め切りの時間はちょうど翔太のお父さんがホテルに来る時間と同じです。
「12時?どうしよう・・・」
そのとき・・・
トモコがこの脚本を書いていたときに話していたことを思い出します。
『難しいけれど、最後のチケットを友人の幸せのために譲れる自分になりたいわ』
さらに、アンドーラの言葉の意味も。
『チャロ、もし決断に迷ったら、自分の心の声に従いなさい』
「よし、この封筒を届けよう!」
ところが、道に出たチャロは途方に暮れてしまいました。
ブロードウェイは人が多くて進めません。
「う・・・ん、これじゃ、間に合わないよ」
困ったチャロの前に現れたのはシリウスでした。
「やぁ、チャロこんなところでどうしたんだ?」
「シリウス!12時までに行かなきゃならないけど、人が多すぎて動けないんだ!」
チャロから事情を聞いたシリウスは、
「私は、ドレッドにチャロを助けてやってくれと頼まれていたが、今がその時だ!」
そういうと、チャロを背中に乗せて走り出します。
すると・・・
「ママ、見て!あの犬!すごいわ!!」
チャロが気づく間もなく、2匹は渋滞につかまった車の上を跳んでいました。
ボン!ボン!ボン!
「チャロ、しっかりつかまれ!最後のジャンプだぞ!!」
次の瞬間、シリウスとチャロは宙を切って高く高く舞い上がりました!
街の人たちは、そんなシリウスを感嘆の目で見ています。
「ハァハァ・・・着いたぞ!」
「ありがとう、シリウス!」
「私ではない、ドレッドに礼を言うんだな」
間に合った!
チャロとシリウスが劇場に着くと、ちょうど12時の鐘が鳴り渡ります。
劇場に着くと、リムジンが次々に到着し、観衆がゲストや有名人を拍手喝采で出迎えていました。
そんな人々を見ながらチャロは空を見上げ、
「翔太ゴメンね、でもわかってくれるよね?トモコの夢をかなえたかった・・・」とつぶやくのでした。
でも、あきらめないでチャロ!
翔太のパパは何度もニューヨークに来ている様子、まだまだチャンスはあるよ!
