臆病な仲間ドゥーマは、翔太とコロンを探すペンギンのムウ・チャロと一緒に行動することが多くなりました。
「見てパンだよ!」
100メートル先に落ちているパンを見つけて、風のように走り出します。
「わぁ~、彼は本当に速いね」
拾ってきたパンを差し出して、
「ムウ、これ」
「ありがとう。あなたって、きっとサバンナでは狩りがうまかったのね。」
「いや…、そんな…」
それにしても、ドゥーマは大したことでなくても、大げさに怖がるのです。
「見て!蜂だ!」
「大丈夫だよ、ほら、あっちに行ったよ」
「わぁ!ムウ、今度はクモだ!助けて~!」
「ドゥーマ、あなたはチーターでしょう?どうしてそんなに怖がるのよ?」
あきれるムウに言われたドゥーマは、一目散でどこかへ消えてしまったのです。
「え?どこ行っちゃったの?」
「本当に速いよ、彼は…」
「もう…」
チャロとムウは待ちました。待って…待って…
「彼はすぐに戻るかしら?」
「多分ね」
やっと、ドゥーマは泣きながら戻ってきたのです。
『またか…』
落ち着きを取り戻し、話し出します。
「しっかりしなさい!」
「あたまが痛いよぉ。グラウンドでボールにぶつけられたよ」
「どんなボール?」
「黒い大きなボールで」
「サッカーボールだ!誰にぶつけられたの?」
「オレンジのパーカーを着た少年だよ。あぁ痛~い!」
「翔太じゃない?翔太は9歳なんだ!」
「そうかもしれない」
「翔太はサッカーが大好きなんだ。ありがとうドゥーマ」
「これはすごい情報だわ!」
「ドゥーマ、その場所へ連れて行ってよ」
「OK」
3人は、翔太のいたグラウンドへ走り出します。
「ハァ、ハァ。ちょっと待ってよ。あなたみたいに走れないわ」
「ゴメン。そこまでまで考えなかった」
「ペンギンは走るの苦手なのよ~」
「ムウ、背中に乗って!」
あら?意外と紳士なんですね、ドゥーマって。
3人は、やっとのことでグラウンドへ。
やってきたグラウンドの壁には、ボールの跡がいっぱい!
「見て!サッカーボールの跡だ。やっぱりそうだった!翔太がいたんだ!」
「この印、TYT、翔太は豊島ユースチームに入っていたんだ。翔太~!翔太~!どこにいるの~?」
チャロは翔太を探し回ります。一生懸命叫びながら…。
「ふ―!危なかった。危なかった。」
なんと、あのペテン師ランダがそこにはいました。さらに、ランダの前には翔太がいるではありませんか!
ランダは翔太のほうを向いて、
「翔太くん、運がよかったね。悪いやつがキミを捕まえるとこだったよ。でも、心配しないで。」
「さぁ、行こうか!グラウンドから離れないと危険だから、ね?」
にやりと笑い、翔太を誘うランダ。
翔太はどうしてランダと一緒なんでしょう?
一生懸命に翔太を探すチャロには気づかないの?
