チャロは子犬のベルが再び口を閉ざしてしまい、ゲンブの元へ戻ります。
「そんなに落ち込むな。」
「でも…」
「ベルはソーセージを見ると、なぜか心を閉ざすのさ。」
「ぼく、知らなくて…」
「おまえのせいではないよ。」
「でも」
責任を感じるチャロは、マーガレットをたくさん摘んでベルに届けます。
「ベル、ごめんね。ほら、見て!マーガレット。君が名前を教えてくれた花だよ。」
しかし、ベルは無視。
その夜、
「僕のせいだ。」
「そんなに落ち込むな。ところで、おまえは何かやりたいことがあるんだろ?」
「はい、翔太という少年を探しているんです。」
ゲンブに問いかけられ、チャロはミドルワールドへ来たわけを話します。
「そうか、翔太は一番の友達なんだな。」
「はい!命の恩人です。翔太がいるから僕は生きてこられたんだ。」
「友情は宝だ。」
「だから翔太を探しにきたんだ。そして、一人でいる寂しさがわかるから、ベルを放っておけないんだ。」
「そうか、お前は優しい心の持ち主だ。」
「ゲンブ、どういうこと?ゲンブはどうしてここへ?」
すると、ゲンブは自分の過去を話し始めます。
「私はかつて絶滅種の最後の生き残りだったのさ。気候の激しい変化で仲間が全滅した…。」
「えっ?」
「だから、家族もなく、友達もいなかった。一人ぼっちで、話す相手もいなかった。」
「そんな・・・」
「家族や友達を探す人には、幸せになってほしいのさ。」
次の日、再びマーガレットを探しに出かけるチャロ。
同じころ、ゲンブは、
「ベル、チャロは大切な人を探しにきたんだ。飼い主の翔太という少年だ。チャロは生きている。だが、翔太を探してひとりでこのミドルワールドへやってきた。しかし、お前のことが気になってこの島にとどまっているんだ。」
「チャロがボクのために?」
ベルはポロポロと涙をこぼし泣き出し、走り出すと叫びます。
「チャロ!」
マーガレットを摘んでいるチャロを探して…。
「ベル?」
「チャロ、ボクはもう大丈夫だよ。だから、翔太を探し続けてよ。」
「え?」
「大事な人なんでしょう?それなのにボクは…。」
「ベル」
「君みたいなに親切な人初めてだよ。兄弟みたいな気がするんだ。そんなチャロから強くなることを教えてもらった。だからぼくもがんばれる気になってきたよ。」
「わかった。ベル、ありがとう」
ベルはほほ笑みます。チャロもほほえみながら、安心して旅立つことを決めます。
ゲンブとベルは、島を去るチャロに、
「気をつけて行くんだよ、チャロ。翔太と会えるように。花畑への道はとても危険な場所だ。死の世界に近づくのだからな。」
「ありがとう、ゲンブ。」
「グッバイ、チャロ!」
「グッバイ、ベル!」
そうしてチャロは再び翔太を探す旅にでるのでした。
暖かな友情を感じながら・・・。
